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ファンシーを求めて(3)トリケラトプス Triceratops

#トリケラトプス#ファンシー古生物#ファンシー復元#ファンシー恐竜#古生物復元

ファンシー古生物復元をしています。
今回のファンシー復元モチーフは、恐竜といえばこれ!知らない人は少ないと思われるトリケラトプス!どんな子?どうしてグッズを作ったの?かを、ネチネチ説明したいと思います。

一番新しいグッズが上の画像のトリケラトプスです。トリケラトプスの要素を集めてファンシー可愛く復元した形です。ファンシーに復元できるようになるまでちょっと時間がかかったので、そこらへんも説明します。

トリケラトプスって何?
「トリケラトプス」という名前は、恐竜をよく知らなくても耳にすることがあるのではないでしょうか。手元にある図鑑から「トリケラトプス」のところを抜粋して見ます。

トリケラトプス 8〜9m Triceratops 3本の角のある顔 植物食
ティラノサウルスなどの肉食恐竜とともに、白亜紀の最後まで生きた最大級の角竜です。3本の角、力強い顎、頑丈なフリルを持っていました。フリルは敵から大切な首を守る役目をはたしました。(講談社 move mini)

トリケラトプス《3本の角のある顔》
角竜類では最大で、化石も多く見つかり、最も有名な恐竜。えりかざりは最大で幅2.5m、ひたいの角は90cnもあったようだ。
科名:ケラトプス科
全長:約9m
食性:植物食
生きていた時代:白亜紀後期
化石が見つかった場所:カナダ、アメリカ(小学館の図鑑 NEO POCKET)

トリケラトプス[3本の角のある顔]
全長:6〜9m
生きていた時代:白亜紀後期
化石が見つかった国:アメリカ、カナダ
食性:植物食
特徴:角竜類で最大級です。
こどもの角は小さく後ろ向きにはえていましたが、成長するにつれて大きくなりました。(学研の図鑑 LIVE POCKET)

トリケラトプスの図鑑による説明はこんな感じです。見た目に関わる情報は顔に3本の角があること、最大級の角竜であることくらいの説明です。古生物は現生生物と違って、外側の形を見ることができません。図鑑に載っているイラストは復元画です。

科博に行ってみる
私は東京に住んでいるので、身近な博物館は国立科学博物館、通称「科博」です。
科博の地球館の地下展示室には古生物の展示がされており、地下1階の展示室が恐竜の展示室です。
科博にはトリケラトプスが二体展示されています。片方は全身組み立て骨格、もう片方は壁面に張り付くように展示されている半身の交連骨格標本(とても珍しいものです)のレイモンドです。全身組み立て骨格の方が迫力もあるので来館される方が写真をよく撮っていますが、珍しくてかっこいいのは壁面に張り付いている状態のレイモンドです。
どういうことかというと、死んだ動物は肉を食べられ骨になり、川の流れで骨が流され土に埋まりうまく石になったものが化石です。ですので、ボーンベッドと呼ばれるような骨がたくさん見つかる場所は川の流れがたまりやすい場所だったところで、骨は一個体のものではなくバラバラの骨が見つかってその中からサイズが合いそうなものを合わせて骨格標本を作っているのです。科博にある全身復元骨格標本はそのタイプです。レイモンドはなぜか死んだ後全身が土砂にすぐに埋まった為、バラバラにならずに化石になった珍しいものなのです。全身が繋がったままだとどう素晴らしいのかというと、生きていた時の姿勢を想像するにたる情報をその形から見せてくれるからです。しかも化石の歪みが少ないので、本当にかっこいい標本です。
レイモンドと全身復元骨格標本を両方観察できるので、科博に行くと気がつくことが毎度あります。
フリルと角の角度が一番トリケラトプス を見分ける上で大切のような気がします。その感じがレイモンドともう一体のトリケラトプスでは違います。

種類について
話が少し飛びますが、私はトラが好きです。
トラは現在6種類の亜種がいます。少し前に絶滅してしまったものもいるのですが、保護環境の動物園飼育なども合わせると6種類です。私はその6種類を見分けることができます。骨の形は似ていますが、サイズや形の微妙な違いでこれはシベリア(アムール)だなとか、これはスマトラだな、とわかります。とても似ているものはわからない時もありますが、なんとなくは骨で見てもわかります。生きている姿ならほとんど間違いません。

https://suzuri.jp/segasworks/designs/15028181

上のリンクのsuzuriに登録してある虎の亜種のゆるいイラストです。

骨で見る姿でも、なんとなく違う。生きている姿なら見間違わない。この点が大事です。
恐竜は生きていた世界を誰も見ることができません。骨が出てきて初めて知ることができる生き物です。その生き物が一種類ずつしか生きていないなんてことがあるかしら?というのが、私の疑問ですが。実際そんなはずないと思います。

トリケラトプスの種類についてのグッズをお求めの方に渡している説明ペーパー
2種類のトリケラトプスの復元画をポストカードにしたもの

成長段階
トリケラトプスのグッズを作るようになったのは、トリケラトプスは化石がたくさん見つかっている恐竜であること、複数種いることがわかっているもの、成長段階が違う個体が見つかっているという点です。加えて、鱗の化石も見つかっているので、復元する際にどんな鱗の模様だったかがわかるというところも重要です。(私の好きな恐竜の基準は、たくさん見つかっている種類であるということ、復元をするために必要な鱗の化石なども見つかっていること、成長段階の違う個体が複数見つかっていること。)

成長段階のグッズをお買い上げいただいた方に渡している説明ペーパー

胚化石は見つかっていないので(角竜の卵の殻は柔らかかったのではないかと言われています。トリケラトプス は卵の化石が見つかっていません。)赤ちゃんの形はわからないのですが、幼稚園から小学校低学年くらいの子供のトリケラトプスの化石は頭の化石が見つかっています。老齢個体まで、複数成長段階の頭の化石が見つかっているので、どんな形をしていたのかを理解する上でとてもわかりやすい恐竜だと思います。

トリケラトプスの成長段階グッズ(眼鏡拭き)

ファンシーに復元したかった訳
植物食の恐竜の方が形が面白くてかっこいいと思っています。トリケラトプスは知名度人気ともに高いので、沢山グッズがあります。100円ショップに行って恐竜柄のグッズを見てもトリケラトプスが描かれていることは多いです。ですが、その形が全然トリケラトプスではないのことの方が多いのです、、、。
・頭の後ろにフリルと呼ばれる飾りが付いている。
・角が目の上に一本ずつ、鼻の上に一本、計3本ある。
・4本足で立っている。
この三点だけを聞いて描いた哺乳類みたいな形をしている生き物が、よく見るトリケラトプスのゆるいグッズです。
細かいですが、目の上のつのは眼窩の真上にくっついているので、目より後ろや目より前ではなく、ジャスト目の上でないとおかしいですし、頭の後ろのフリルは正中を真ん中としてその両サイド三つのパーツに分かれ箱状ですが、大概のフリルはシャンプーハットのように一枚で繋がっています。4本足で立っている足の方向や接地の向きは哺乳類の足と違うので、べたっと地面につく部分の形が違います。
生き物のカッコよさはそう言う細かい点にあると思うので、そこを踏まえつつ緩く可愛く描いてあるグッズが欲しかったのです。

トリケラトプスのグッズをお求めの方に渡している説明ペーパー
ファンシーに2種類のトリケラトプスを復元している途中の線画
プロルスス正面ファンシー復元画
ホリドゥス正面ファンシー復元画
プロルスス斜座りファンシー復元画
ホリドゥス斜座りファンシー復元画
プロルスス横向ファンシー復元画
ホリドゥス横向ファンシー復元画

こんな流れで、ファンシーに復元しました。
上の画像は種類の違うトリケラトプスの復元画です。
一番最初に貼ってある、トリケラトプスはモデルになっている化石があるのですが、その個体は角がとても長くかっこいいので、その形に寄せています。私がファンシーにしているトリケラトプスは2種類ですが、もっと沢山の亜種がいるので、気にして見てみて下さい。
博物館のキャプションに「sp.」と付いている場合は種類が不明ということです。
今回紹介した復元のグッズもITEMSのページで通販しています。
気になった方はぜひお手に取っていただければと思います。
よろしくお願いいたします。

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